資金調達は英語で何?fundraisingとfundingの違い・スタートアップ必須20語【2026年版】
資金調達を英語で言うとfundraising、と覚えていませんか?実は英語圏ではfundraisingはNPOの寄付集めを指すことが多く、スタートアップが投資家と話す場面ではfundingやraise capitalを使う方が安全です。3表現の使い分け+必須20語+ステージ別表現を例文付きでまとめました。

Q. 資金調達は英語で何と言いますか? A. fundraising (ファンドレイジング)/ funding (ファンディング)/ financing (ファイナンシング)/ capital raising (キャピタルレイジング)の4表現が代表的です。ただし注意点があります。英語圏では fundraising は NPO・チャリティの寄付集めを指すニュアンス が強く、スタートアップが VC やエンジェル投資家と話す場面では funding または raise capital / raising capital を使う方が誤解されません。動詞で表す場合は raise funds / raise capital が最も自然です。
| 英語表現 | 主な使われ方 | スタートアップ文脈 |
|---|---|---|
| fundraising | NPO・チャリティの寄付集め寄り | 日本語の「資金調達」訳としては通じるが、英語ネイティブには非営利を想起させやすい |
| funding | ビジネス全般の資金調達。広く安全 | シード・シリーズAの調達ニュースで最頻出 (例: Series A funding) |
| financing | 銀行融資・デット寄りのトーン | デットファイナンス・プロジェクトファイナンス文脈で使う |
| capital raising | エクイティでの資金調達 | 株式発行を伴う調達。IR・上場関連で使う |
たとえば「シリーズAで5億円を調達した」を英語で言うと、TechCrunch や Crunchbase の見出しでは "raised $5M in Series A funding" や "closed a $5M Series A round" が定番です。
本記事で得られること
- 資金調達の英語表現4つ(fundraising / funding / financing / capital raising)の正しい使い分け
- ピッチ・タームシート・財務指標で使う必須英語用語20選(例文付き)
- シード〜シリーズB以降のステージ別英語表現と交渉戦略
国内の資金調達手法の基礎から、海外 VC との交渉で使う英語専門用語までを体系的にまとめました。
資金調達の主な種類とメリット・デメリット
資金調達には、大きく分けて「デットファイナンス(融資)」「エクイティファイナンス(出資)」「補助金・助成金」の3つの手法があります。自社の状況に合わせて最適な方法を選ぶことが重要です。
デットファイナンス(融資)
金融機関から資金を借り入れる方法です。日本政策金融公庫の創業融資や、民間銀行からのプロパー融資などが該当します。
メリットは、経営権(株式)を渡さずに資金調達できる点です。デメリットは、元本の返済義務と利息の支払いが発生するため、キャッシュフローを圧迫するリスクがあることです。
エクイティファイナンス(出資)
ベンチャーキャピタル(VC)やエンジェル投資家から、新株を発行して資金を調達する方法です。
メリットは、原則として返済義務がないため、思い切った事業投資が可能になる点です。デメリットは、株式を交付するため経営権の一部を握られ、将来的な利益の分配や経営への介入を受け入れる必要があることです。
補助金・助成金
国や自治体が実施している制度を活用する資金調達方法です。IT導入補助金やものづくり補助金などがあります。
メリットは、返済不要の資金を獲得できる点です。デメリットは、申請から受給までに時間がかかることや、原則として後払い(精算払い)であるため、初期の立て替え資金が必要になることです。
各調達方法の全体像や投資家交渉のポイントについては、スタートアップの資金調達を成功させる8つのポイントも併せてご確認ください。また、システム開発を伴う場合は新規事業で使える補助金3選!Webサービスやシステム開発の初期費用を抑える方法も参考になります。
ピッチで頻出する資金調達の英語専門用語7選

海外投資家から資金調達を行う場合、英語での的確なコミュニケーションが不可欠です。投資家が投資を判断するポイントは、起業家の市場理解度と熱意です。ここでは、実際のピッチや質疑応答で頻出する代表的な英語の専門用語と、現場で使える具体的な例文を7つ紹介します。
- TAM / SAM / SOM(市場規模)
- 意味: TAM(Total Addressable Market)は獲得可能な最大の市場規模を指します。
- 例文: "Our TAM is estimated at $5 billion globally."(当社のTAMは世界で50億ドルと推定されます)
- Traction(トラクション)
- 意味: 事業の成長の勢いや顧客獲得の実績のことです。
- 例文: "We've gained significant traction with a 30% month-over-month user growth."(月次30%のユーザー成長という大きなトラクションを得ています)
- Burn Rate(バーンレート)
- 意味: 1ヶ月あたりに消費する資金(赤字額)です。
- 例文: "Our current monthly burn rate is $50,000."(現在の月間バーンレートは5万ドルです)
- Runway(ランウェイ)
- 意味: 手元の資金が底をつくまでの残り期間(月数)です。
- 例文: "With this funding, we will have an 18-month runway."(今回の調達で18ヶ月のランウェイを確保できます)
- Pitch Deck(ピッチデッキ)
- 意味: 投資家に向けて事業内容を説明するためのプレゼン資料です。
- 例文: "I have attached our latest pitch deck for your review."(最新のピッチデッキを添付しましたのでご確認ください)
- Cap Table(資本政策表)
- 意味: 誰がどの割合で株式を保有しているかを示す表です。
- 例文: "Let me walk you through our current cap table."(現在の資本政策表についてご説明します)
- Use of Funds(資金使途)
- 意味: 調達した資金を何に使うかの内訳です。
- 例文: "The primary use of funds will be product development and marketing."(資金の主な使途はプロダクト開発とマーケティングです)
シリーズAを目指す場合、スタートアップ企業が投資を獲得する6つの基準!資金調達の成功例と急成長の秘密も参考になります。用語を正しく理解し、曖昧な表現を避けることで、自信を持ってピッチに臨めます。
資金調達の条件交渉とタームシートのサンプル項目

資金調達の方向性が決まると、具体的な投資条件をまとめた「Term Sheet(タームシート)」の交渉に入ります。タームシート自体には法的拘束力を持たないことが多いものの、最終的な投資契約のベースとなるため、記載内容の精査は事業の将来を左右します。
投資手法に関する英語の基本用語
海外投資家とのミーティングでは、以下の投資手法を正確な英語で使い分けます。
- Equity Financing(エクイティファイナンス) :株式と引き換えに資金を得る手法です。
- Debt Financing(デットファイナンス) :銀行借入やベンチャーデットなど、将来の返済を前提とした調達方法です。
- Convertible Note(コンバーティブル・ノート) :初期は負債として扱い、後のラウンドで株式に転換される手法です。シード期のスタートアップで頻繁に用いられます。
- SAFE(Simple Agreement for Future Equity) :Y Combinator が提唱した、将来の株式取得権を約束する契約です。Convertible Note と並ぶシード期の定番手法で、a16z やシリコンバレー系 VC の文書でも頻出します。
タームシートの主な記載項目(サンプル例)
実際のタームシートに記載される代表的な項目と交渉のポイントです。
- Valuation(企業価値評価) :Pre-money(調達前)と Post-money(調達後)の企業価値。創業者の持分比率がどれだけ希薄化(Dilution)するかをシミュレーションします。
- Liquidation Preference(残余財産優先分配権) :会社を売却・清算する際、投資家が優先して資金を回収できる権利です。倍率(1x、2x など)が高すぎると、エグジット時に創業者へ残る利益が激減します。
- Board Seat(取締役枠) :投資家が自社に取締役を派遣する権利です。経営への関与度合いに直結します。
- Anti-Dilution(希薄化防止条項) :将来、今回よりも低い株価で資金調達(ダウンラウンド)が行われた際、既存投資家の持分低下を防ぐための条項です。
システム開発の費用相場と内訳を大公開!見積もりを安く抑える4つの秘訣などを参考に、調達した資金の開発コストとしての妥当性を事前に整理し、不利な条件を避けるための論理的な交渉準備を徹底してください。
資金調達のステージと成長フェーズごとの戦略

スタートアップが資金調達を行う際、自社が現在どの成長段階(ステージ)にあるかを正確に把握し、それに適した戦略を立てることが求められます。ステージごとに投資家が想定するリスクとリターン、そして重視する KPI は大きく異なります。
ステージ別の特徴と英語表現
各フェーズにおける目的・調達額の目安・英語での頻出表現を整理します。
- シード期(Seed Stage / Pre-Seed)
- 目的: ビジネスアイデアの検証、MVP(最小限のプロダクト)の開発。
- 調達額の目安: 数百万円〜数千万円。
- 英語の頻出表現: "We're raising a $500K pre-seed round." / "closed a seed round led by [VC name]"。
- 評価ポイント: 創業チームの実行力と市場の潜在的な規模(TAM)。エンジェル投資家や創業融資の活用がメインです。MVP の検証手順については、MVPとは?新規事業を失敗させない開発の基本と実践的な進め方を参考にしてください。
- シリーズA(Series A)
- 目的: プロダクトの本格展開、PMF(Product-Market Fit)の達成。
- 調達額の目安: 数千万円〜数億円。
- 英語の頻出表現: "raised $10M in Series A funding led by [VC]" / "Series A round"。
- 評価ポイント: 初期顧客の獲得実績や、LTV(顧客生涯価値)などのデータ。PMF 達成の指標についてはPMFとは?ビジネスを急成長させる3つの重要指標と達成への具体的手順も併せてご確認ください。
- シリーズB以降(Series B+)
- 目的: 市場シェアの大規模な拡大、組織体制の強化、海外展開。
- 調達額の目安: 数億円〜数十億円以上。
- 英語の頻出表現: "closed a $50M Series B" / "growth-stage funding"。
- 評価ポイント: 競合優位性(Competitive advantage)と事業のスケーラビリティ。グローバルな VC からの大型調達が視野に入ります。
投資家と交渉する際は、自社のフェーズに合ったマイルストーン(Milestone)を設定し、いつまでにいくらの資金を投下して何を達成するのか、明確なタイムラインを提示することが不可欠です。より詳細な違いについては、資金調達のシリーズとは?シードからシリーズCまでの違いと成功する7つの原則をご確認ください。
資金調達のプロセスとデューデリジェンス

投資家から事業資金を獲得する過程では、初期のアプローチから契約締結まで、各プロセスで的確な対応が求められます。特に、投資家が企業を詳細に調査する「デューデリジェンス(Due Diligence)」は、ディールの成否を分ける最大の関門です。
ピッチからデューデリジェンスへの移行
最初の関門であるピッチ(事業プレゼン)を通過すると、デューデリジェンスのフェーズへ進みます。ここでは、ピッチデッキで語られた事業計画やトラクションが事実に基づいているか、潜在的なリスクがないかが厳格に審査されます。
デューデリジェンスで求められるチェックリスト(一例)
調査をスムーズに進めるため、事前に以下の資料やデータを準備しておくことが不可欠です。
- 財務・税務資料 :過去の決算書、試算表、月次キャッシュフロー表、税務申告書など。
- 法務・契約関連 :定款、登記簿、既存の株主間契約書、取引先との主要な業務委託契約書など。
- 人事・労務 :雇用契約書、就業規則、役員報酬の規程など。
- 技術・知的財産(Tech / IP) :特許の出願状況、システム開発のアーキテクチャ資料、ソースコードの権利帰属など。
これらの資料を正確かつ迅速に(海外向けなら英語で)提出する体制が整っていないと、投資家の不信感を招き、交渉が決裂する原因となります。
デューデリジェンスを無事に通過したのち、前述のタームシートに基づく最終的な投資契約(Definitive Agreement)へと進みます。各フェーズの目的を正しく理解し、法務や財務の専門家のサポートを活用しながら、不利な条項を見落とさないよう慎重に交渉を進めましょう。
資金調達で重視される財務指標

投資家との交渉において、自社の財務状況を正確な数値で伝えることは必須条件です。グローバル投資家向けには、これらの指標を英語で的確に説明できなければなりません。特に重視される3つの主要な指標を整理します。
投資家がチェックする3つの重要指標
- Burn Rate(資金燃焼率)
- 毎月企業が消費するキャッシュの純減額です。売上が立っていないシード期では、この Burn Rate を低く抑えつつ MVP 検証を回すことが求められます。
- Runway(資金繰り期間)
- 現在の手元資金が何ヶ月で底をつくかを示す指標です。「現在の銀行残高 ÷ 月間 Burn Rate」で計算されます。投資家は、調達資金によって Runway がどれだけ延び、その期間内に次のマイルストーンを達成できるかを厳しく評価します。
- Valuation(企業価値評価)
- 自社の企業価値を示す指標です。TAM(市場規模)やトラクション(成長実績)などの定量的な根拠をもとに、妥当な Valuation を論理的に説明する準備が必要です。
フェーズに合わせた調達手法の柔軟な選択
資金を集める手法には、大きく分けて Equity(株式)と Debt(負債)の2種類が存在します。Equity は返済義務がない一方で、経営権の一部を譲渡(希薄化)します。対して Debt は、経営権を維持できる代わりに利息を含めた返済義務が生じます。
自社のキャッシュフローを客観的に分析し、初期フェーズでは日本政策金融公庫などの Debt や補助金を活用しつつ、急成長を目指すタイミングでベンチャーキャピタルからの Equity を組み合わせるなど、柔軟な戦略が求められます。
よくある質問(FAQ)
Q1. 「資金調達」を英語で言う場合、fundraising と funding のどちらを使えばいいですか?
スタートアップが VC やエンジェル投資家から調達するシーンでは funding または raise capital / raising capital を使うのが安全です。fundraising は英語ネイティブには「NPO・チャリティの寄付集め」を連想させやすく、ビジネス文脈ではやや違和感が出ます。日本国内ではfundraising の方が一般的に通じますが、海外投資家とやり取りする場面では funding を選びましょう。
Q2. 「シリーズAの資金調達を完了した」は英語で何と言いますか?
"We closed our Series A funding round." / "We've raised $XM in Series A funding led by [VC name]." が自然です。"closed a round" は「ラウンドを完了した」というニュアンスで、TechCrunch・Crunchbase の見出しでも定番表現として使われています。
Q3. 「資金使途」は英語で何と言いますか?
Use of Funds が標準的な表現です。ピッチデッキ・タームシート・株主向け開示資料すべてで使われます。"The primary use of funds will be product development and hiring."(資金の主な使途はプロダクト開発と採用です)のように使います。
Q4. 「資金調達中」は英語で何と言いますか?
"We're currently fundraising." または "We're in the middle of raising our [Seed / Series A] round." が自然です。動詞 fundraise は形容詞的に使われることも多く、"we're fundraising" だけで「資金調達中」のニュアンスが伝わります。
Q5. fundraising と financing は何が違いますか?
fundraising は資金を集める活動全般(寄付・出資・補助金など)を広く指し、 financing は銀行融資・債券・プロジェクト資金など返済を前提とする調達トーンを帯びることが多いです。スタートアップが「Series A financing を受けた」と言っても通じますが、ニュアンス的には Series A funding の方がより一般的です。
まとめ
資金調達を英語で言うと fundraising ・ funding ・ financing ・ capital raising の4表現が代表的です。ただしスタートアップが海外投資家と話す場面では funding または raise capital が最も誤解されにくい安全な表現です(fundraising は NPO の寄付集めニュアンスが強いため)。
本記事では、以下の5つの観点から必須英語用語20選とステージ別戦略を解説しました。
- 4つの英語表現(fundraising / funding / financing / capital raising)の使い分け
- 国内調達手法の基礎(デット・エクイティ・補助金)
- ピッチで頻出の英語用語7選(TAM 〜 Use of Funds)
- タームシートの条件交渉用語(Convertible Note・SAFE・Anti-Dilution など)
- ステージ別戦略と英語表現(シード〜シリーズB以降)
- 投資家が重視する財務指標(Burn Rate・Runway・Valuation)
これらの用語と戦略を総合的に理解し、自社のフェーズに合ったアプローチを選択することが、資金調達を成功させる鍵となります。専門家のサポートも活用しながら、英語と日本語双方で自信を持って投資家との対話に臨み、事業成長を加速させましょう。


ねこ太郎
独立系ベンチャーキャピタルでの投資業務を経て現在は研究機関で起業家の成功要因を分析する専門家です。キャピタリスト時代に数多くのアプリやウェブサービスの立ち上げを支援してきた豊富な経験を持っています。その現場での知見と最新の研究データを掛け合わせゼロからのビジネス立ち上げを成功に導くための実践的なノウハウを発信しています。
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